かつての「東洋一のつり橋」若戸大橋を渡って戸畑駅へ【福岡県内JRローカル線の旅⑩】

北九州市の若松地区と戸畑地区を結ぶ若戸大橋は、かつては「東洋一のつり橋」と呼ばれ、現在では国の重要文化財になっています。

 

(若戸大橋)

若松駅で降りて洞海湾を横断

 若松駅は、かつては石炭の積み出しの駅として栄え、長らく貨物取扱量日本一の駅でした。また、貨物の取り扱いがあったときは広大なヤードを備えていました。現在では純粋な旅客駅となり、貨物スペースは撤去されたので、駅構内もこぢんまりとしています。

 

(洞海湾の対岸には皿倉山が見えます)

 

 石炭の積み出しをしていたという経緯から、若松駅洞海湾に近く、少し歩くとすぐに海が見えます。

また、海に出ると、若松地区と対岸の戸畑地区を結ぶ若戸大橋が見えます。若戸大橋1962年に竣工し、竣工当時は「東洋一のつり橋」と呼ばれました。

 

(皿倉山を見て反対方向を向くと若戸大橋が見えます)

 

言われてみれば今見ても立派なつり橋ですし、現在では国の重要文化財に指定されています。若戸大橋の建設には当時の技術の粋が集められ、そのノウハウは関門橋明石海峡大橋の建設にも生かされました。

 

(若戸大橋下の船着き場に入る若戸渡船)

 

 私はその下を通る若戸渡船に乗船しました。若戸渡船も若戸大橋と同じく、若松地区と戸畑地区を結んでいます。若戸大橋の開通によってこの航路は廃止になる予定でしたが、地元住民の強い要望で存続しました。自動車での移動には若戸大橋のほうが便利ですが、歩行者には段差の少ない渡船の方が便利です。若戸渡船では1930年に死者73名におよぶ転覆事故が起きており、これが若戸大橋建設の一因になったとも言われています。現在はもちろん安全です。

 

(わずか3分で対岸に到着)

 

 若松側の乗船口も若戸大橋の近くですが、戸畑側では橋の真下に着きます。乗船時間はわずか3分ですが、洞海湾を通る船をやり過ごしたりすることもあるので、時間がかかることもあるそうです。

 

(戸畑側の船着き場)

 

 戸畑側で下船して、少し歩いて戸畑駅から鹿児島本線に乗ります。鹿児島本線とは折尾駅で分かれてしばらくなので、けっこう離れているのかと思いきや、筑豊本線鹿児島本線洞海湾を挟んで並走しているのでそうでもありません。鹿児島本線西小倉駅まで移動します。

 

(戸畑駅からも若戸大橋が見えます)