80分遅れの「ホリデー快速ビューやまなし」で西へ、岡谷で重要文化財見学【週末パスで行く関東甲信越周遊旅行②】

富士急で大月駅に戻り、数分の乗り換えで「ホリデー快速ビューやまなし」に乗車する予定でしたが、強風で鳥沢鉄橋を渡れないらしく、80分大月駅で足止めされました…。仕方なく大月駅をぶらぶらし、遅れてきた列車で小淵沢、岡谷と西に向かい、岡谷では重要文化財の「蚕御殿」である旧林家住宅を見学しました。

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(おしゃれなつくりの岡谷駅)

ホリデー快速ビューやまなし小淵沢

 富士山ビュー特急に乗って、大月駅には10:11に着きました。ここで10:17発のホリデー快速ビューやまなしに乗る予定だったのですが、鳥沢付近の強風の影響で、中央線のダイヤが乱れており、ここから先、西に進めなくなってしまいました…。大月駅をぶらついていると、ホームに「機関車用砂」と書かれた箱がありました。このあたりは勾配の厳しい区間なので、蒸気機関車牽引時代にはこの箱から滑り止め用の砂を補充していたのでしょうか。

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(蒸気機関車の滑り止めとして活躍した砂も高性能車両の登場で過去の遺物に…)

 

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(E353系はカッコいいので絵になります、こちらも足止めになっていたのでたくさん撮らせていただきました!)

 

そんなことを考えつつ待っていると、80分遅れのホリデー快速ビューやまなしがやってきました。この後長野県の奥地まで行く予定なのにこの調子で大丈夫なのでしょうか…。とにかく電車に乗ります。1時間半ほどで小淵沢駅に到着です。

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(待ちに待った列車が到着!)

 

このあたりまで来ると、列車の本数が少なくなってきて、当然ながら、当初乗り継ぐ予定だった列車には間に合いません…。次の列車まで30分以上あるとのことだったので、気を取り直して駅弁を買って昼食を取ることにします。

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(八ヶ岳高原の鶏めし)

 

 駅弁を食べていると何やら駅が騒がしい雰囲気です。遅れていた列車が来たのかもしれません。しかし私は駅弁を食べていたので動くことができませんでした…。急いで食べ終えて駅員さんに確認してみると、案の定、松本方面行の普通列車が発車した後でした。ダイヤが乱れているので、遅れていた列車が早めに到着してしまったようです。仕方がないので駅の展望スペースで写真を撮って時間をつぶします。ここからも富士山がきれいに見えました。富士急から見た時よりも小さく見えます。

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(小淵沢駅屋上から眺める富士山)

 

岡谷駅にて途中下車、旧林家住宅へ

 後続の列車に乗って、次の目的地である岡谷駅を目指します。小淵沢駅から岡谷駅までは、普通列車で1時間弱でした。中央線のこのあたりの普通列車は所要時間にばらつきがありますが、駅員さんに確認したところ、これに乗るのが一番早いということでした。岡谷駅には15時前に到着しました。岡谷では、「旧林家住宅」を見学することにします。

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(岡谷駅から「旧林家住宅」に向かっているとタンク貨物が走り抜けていきました)

 

 「旧林家住宅」はその名の通り、昔の林さんのお宅なわけですが、製糸業で財をなした方だということで、豪華で洒落た造りになっており、国の重要文化財に指定されています。長野県では幕末の開国後、製糸業が盛んとなり、その波に乗った多数の実業家が現れました。そのような実業家の住宅や、実業家の寄付による公共施設が現在でもいくつか残っており、当時の繁栄を物語っています。今回訪れた「旧林家住宅」や上諏訪の「千人風呂」はその一例です。

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 門から中に入ると、玄関口が受付になっており、入館料580円を払いました。受付の方に、「今日はどういう経緯で来られたのですか」と聞かれたので、「中央線沿線のうち諏訪の方は行ったことがあるので、今回は岡谷に来てみました」答えたところ、「そうおっしゃる方が多いですね」と言われました。諏訪の方が知名度があるかもしれませんが、岡谷もいいところだと思います…。受付の方が中を詳しく案内してくださいました。

 立派なひな人形や技巧的な欄間 (らんま) などを見ることができ、林さんの豊かさを感じることができました。

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(技巧的な欄間)

 

ちなみに、この屋敷を立てた実業家は林国蔵という方だそうで、製糸業にも多角的に事業展開し、中央線 (中央東線) の開通にも尽力したそうです。この屋敷は主屋、離れ、土蔵からなり、主屋と離れの内部は一般公開されています。主屋にも贅が凝らされていますが、迎賓館的役割を持つ離れは特に立派でした。離れの2階の壁紙は、現在では幻とも言われている金唐革紙がふんだんに使われています。金唐革紙は当時、西洋建築の壁紙用に輸入されたものであり、西洋風の幾何学模様があしらわれているため、和室とミスマッチで不思議な雰囲気です。また、離れには洋風の玄関ホールがあり、一方でホールの隣は茶室になっており、建築者のお洒落心が感じられます。玄関ホールにはガス暖炉が取り付けられており、当時の最新技術が使われていたらしいことがうかがえます。

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(現在では幻とも言われる金唐革紙が天井全体に使われています)

 

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(当時最新技術だったガス暖炉)

 

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(仏壇も豪華でした!)

 

 30分ほどみっちりガイドしてもらって、岡谷駅に戻りました。ここから再び中央線に乗り、松本駅を目指します。