「山陰めぐりパス」の旅 2日目② (松江城を見学、「スーパーまつかぜ」で移動し、大田市で宿泊)

午後は松江に移動して昼食に「しじみラーメン」を食べ、松江城を見学。「堀川めぐり」も駆使して松江城を中と外の両方から堪能しました。その後は特急「スーパーまつかぜ」で大田市に移動し、ここで宿泊しました。

 

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(黒い城壁が美しい松江城。「国宝五城」のうちの1つです)

 

・松江着、昼食は「しじみラーメン」

12:41松江着。松江には通常の路線バスの他に、「ぐるっと松江レイクラインバス」と呼ばれる観光客向けのバスが走っています。JR松江駅松江城一畑電車松江しんじ港温泉、宍道湖周辺などを周遊しており、観光にはとても便利です。運賃は1回200円で、500円で1日乗車券を買うこともできます。13:00松江駅発の便に乗車、と思ったのですが、松江駅から松江城まで行く間に昼食を食べようと考え、徒歩で行くことにしました。

 

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(昼食は「トタン屋」というラーメン屋さんに入りました)

 

見つけたのが「トタン屋」というお店。「しじみラーメン」を注文しました。宍道湖シジミの漁獲量が日本一だそうです。「しじみラーメン」は優しいお味、あっさり麺にほんのり塩味が効いていて、食べやすかったです。入店時に店長さんがテレビを見ていましたが、私が席に着くと消されてしまいました。後でお手洗いを借りるときにカウンターを覗くと、店長さんがスマホでテレビを見ている!気遣いがかわいい!

 

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(優しい味の「しじみラーメン」)

 

ラーメンを食べて回復したところで、松江城に向かいました。松江駅から松江城へは徒歩30分、「トタン屋」さんからは20分ほどです。宍道湖から中海につながる大橋川を越えると松江城が見えてきました。

 

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(松江城が見えてきました!)

 

松江城

松江城堀尾吉晴が築城を開始し、孫の忠晴と共に城下町を整備しました。この城下町が現在の松江市の礎となっています。堀尾吉晴は豊臣政権で中村一氏、生駒正親と共に三中老と呼ばれ、活躍したといわれています。関ヶ原の戦いでは徳川方に付き、出雲・隠岐を拝領しました。

 

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(指図する堀尾吉晴)

 

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(松江城。黒い城壁が青空によく映えます)

 

松江城は城壁が黒く、黒い城壁は豊臣時代の影響だといわれています。豊臣秀吉は黄金を好み、城壁には黄金に合う黒を多く用いました。現在の大阪城天守閣は白い城壁で、これは徳川時代の城壁をもとに再建されたものですが、豊臣時代の大阪城の城壁は黒でした。黒い城壁の城としては加藤清正の熊本城や石川数正松本城などがあります。加藤清正は「賤ヶ岳の七本槍」として有名であり、石川数正元徳川家の譜代でしたが小牧・長久手の戦い後に豊臣方に寝返り、秀吉に重用されました。どちらも秀吉ゆかりの大名です。一方で白い城壁は徳川時代の城に多く、有名どころでは池田輝政改築の姫路城があります。ちなみに、松江城平成27年 (2015年) に国宝に指定され、城では5例目の国宝となりましたが、「国宝五城」のうち姫路城、彦根城犬山城は白い城壁、松本城松江城は黒い城壁を持ちます。

堀尾忠晴には後継ぎがなかったために堀尾氏は断絶します。その後、京極忠高が入城しますが彼にも後継ぎがなく、松本から松平直政が入国しました。松平直政徳川家康の孫であり、大坂冬の陣には14歳で参戦し、真田幸村と対戦しました。松江城近くの島根県庁前には「直政公初陣像」が建てられています。松平直政は元松本城主でもあり、国宝のうち2つの城の城主を務めたことになります。羨ましいですね!また、松本藩はもとは豊臣方の石川数正から始まる藩であり、家康の孫に時代には早くも2つの豊臣方の大名が断絶したことになります。恐るべし徳川氏!

 

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(家康の孫である松平直政大坂冬の陣において、大阪城を見上げる様子。現実の視線の先には松江城が見えます…)

 

松平直政から始まる松平松江藩はそのあと江戸時代が終わるまで存続しました。松平松江藩7代目藩主の松平治郷 (不昧) は茶禅の道を極めて独自の「不昧流」を確立しました。彼は現在でも「不昧公」として親しまれています。今年は不昧公没後200年にあたり、「不昧公200年祭」が開催されており、「山陰デスティネーションキャンペーン」でも盛んにアピールしていました。

 

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(明治時代に建てられた興雲閣。迎賓館として長く利用され、無料公開されています)

 

松江城の入場料は560円、小泉八雲記念館や武家屋敷なども回れる「3館共通券」が1000円で発売されており、こちらもお得です。天守閣に入る前にちょっと寄り道。二の丸区画にある「興雲閣」は無料で見学することができます。「興雲閣」は明治時代に明治天皇行幸の行在所のために作られた建物で、とても豪華な造りになっています。その後迎賓館として使われ、平成23年に閉館しましたが、修復工事が行われ、現在再び公開されています。

 

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(松江城シャチホコはよく見ると少し大きいような…)

 

「興雲閣」を出て松江城天守閣に向かいます。何となくシャチホコが目立ちます。それもそのはず、松江城シャチホコは木造では日本最大だそうです。天守閣の中は、地階の構造を見学できるほか、戦国・江戸時代についてや松江藩の歴史について学べる展示がありました。堀尾吉晴肖像画松平直政像などが置いてありました。本当にこんな顔だったのかな…。天守閣の最上階は望楼になっていて、宍道湖を眺めることができました。

 

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(松江城より宍道湖を望む)

 

松江城堀川めぐり

 天守閣を降りると、強行軍による疲れが出てきました…。座って足を休めたいと思いながら歩いていると、いいものを見つけました。「ぐるっと松江堀川めぐり」は松江城のお堀を船でまわることができるものです。約15分間隔で出港していて所要時間は約50分、料金は1230円です。いい休憩になりそうです。

 

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(「堀川めぐり」の待合室にて、遊覧船が楽しみです)

 

お堀にはたくさんの水鳥がいて、間近で観察することができました。お堀の水の中に獲物の魚がいるのでしょうか。また、一部区間では船からお城を眺めることができ、絶好の撮影スポットでした。お堀を1周して下船、これでまた回復して、松江駅に戻りました。

 

 

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(お堀めぐりに出発!)

 

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(水鳥がこちらを睨んでいました)

 

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(船から松江城を眺めることができます)

 

・松江→大田市

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(松江駅に帰ってきました)

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(列車の中でいただいた和菓子「伯耆坊」)

 

 松江駅では、列車の中で食べるためのお菓子を買いました。城下町は和菓子がおいしいことが多いです。特に松江はお茶を極めた「不昧公」が出たということで、お茶に合うお菓子に期待してしまいます!16:37松江発。「スーパーまつかぜ」7号に乗車。松江駅ではそれなりに行列ができていましたが、無事に自由席の一席を確保できました。山陰本線の特急は乗客が多く、十分にその役割を果たしているようです。列車内で先程買った和菓子「伯耆」を食べました。疲れた体にあんこの優しい甘さが沁みました。17:35大田市着。山陰本線の特急は速い!その走りには惚れ惚れします。この日は大田市のビジネスホテルで宿泊しました。ホテルの洗濯乾燥機で洗濯し、旅の後半に備えました。

 

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(太田市駅に到着)

 

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(太田市駅では「らとちゃん」がお出迎え。島根県内で「しまねっこ」と喧嘩したりしないのでしょうか)