大歩危駅から「四国まんなか千年ものがたり」号に乗車【JR四国バースデイきっぷの旅⑥】

阿波池田駅から特急で大歩危駅に移動し、そこから「四国まんなか千年ものがたり」号に乗車しました。「四国まんなか千年ものがたり」号は、土讃線をゆっくりと走るため、特急列車に乗っている時とは違った雰囲気を楽しむことができます。

 

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(「四国まんなか千年ものがたり」号、大歩危駅にて)

大歩危駅に移動

 阿波池田駅では、約30分の乗り換えです。阿波池田はなかなか大きな町なので、降りてみて回りたいところですが、今回は駅前で休憩するだけにします。

 

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(特急「剣山」号と「藍よしのがわトロッコ」号)

 

休憩していると、アンパンマン列車塗装の2700系気動車が来ました。上りの南風14号です。四国では頻繁にアンパンマン列車が走っていますね。

 

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(2700系気動車アンパンマン列車は初めて見ました!)

 

 阿波池田駅では、ほかにも、アンパンマングリーン車を連結した特急「剣山」号を見ることができました。これは「ゆうゆうアンパンマンカー」というやつで「キロハ」なので、グリーン車と表記しましたが、座席には普通車指定席料金で乗ることができます。半室が座席、半室がプレイルームで、プレイルームは「ゆうゆうアンパンマンカー」に乗車した人のみ利用することができます。

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(特急「剣山」号に連結されている「ゆうゆうアンパンマンカー」)

 

 そんな珍しいものを見物しているうちに、乗車する「南風」9号がやってきました。大歩危駅まで1駅のみの乗車ですが、この区間では大歩危峡を見ることができます。わずか20分弱の乗車で大歩危駅に到着します。大歩危峡はあっという間に通り過ぎてしまいました。

 

大歩危駅から「四国まんなか千年ものがたり」号に乗車

 「四国まんなか千年ものがたり」号は、多度津駅大歩危駅間を結ぶ観光列車で、2014年に運転を開始しました。JR四国のものがたり列車としては、「伊予灘ものがたり」号に続いて2番目です。3両編成の特急で全車グリーン席であり、JR四国の中で最も格式の高い列車と言えます。

 

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(大歩危駅で発車を待つ「四国まんなか千年ものがたり」号)

 

ちなみに、「伊予灘ものがたり」号は普通列車グリーン席で割安に乗車できます。「伊予灘ものがたり」号も「四国まんなか千年ものがたり」号もとても好評であり、全国から乗客を集めています。「伊予灘ものがたり」号が、海をテーマにした観光列車なのに対し、「四国まんなか千年ものがたり」号は山・川をテーマにした列車であり、コンセプトは「大人の遊山」です。

 

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(「大人の遊山箱」)

 

そのコンセプトの通り、内装はとても上品で、車内で食べられる料理も、下り「そらの郷紀行」では「さぬきこだわり食材の洋風料理」5,600円、上り「しあわせの郷紀行」では「おとなの遊山箱」5,100円と、おとななお値段です… (2021年9月現在)。「伊予灘ものがたり」号と「四国まんなか千年ものがたり」号が好評であることから、2020年から高知県でも「志国土佐時代の夜明けのものがたり」号の運転がスタートしています。

 

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(内装も高級感がある感じです)

 

 大歩危駅に着くと、すでに「四国まんなか千年ものがたり」号が入線していました。「南風」号の出発を待って、駅構内から記念撮影します。「四国まんなか千年ものがたり」号は、キハ185系の改造車3両編成で、全車グリーン車であることから「キハ」から「キロ」に改番されています。外装は1両ずつ赤、青、緑に塗装されていて鮮やかです。

 

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(「四国まんなか千年ものがたり」号は大歩危峡をゆっくりと通過します)

 

 14:21大歩危駅発、先ほどの「南風」号とは打って変わって、土讃線をゆっくりと走ります。大きな窓から大歩危峡をゆっくりと眺めることができます。同じ路線でも、乗る列車によって印象が大きく変わるのは面白いですね。土讃線香川県高知県を結ぶ幹線であると同時に、大歩危峡の雄大な景色を有する観光路線でもあるということがよくわかります。

 

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(お重を広げると列車内とは思えないほど豪華な雰囲気になります)

 

 出発して少しすると、事前に予約していたお料理「おとなの遊山箱」が運ばれてきます。三段重のお弁当スタイルで、外箱には「四国まんなか千年ものがたり」号ロゴが彫られています。この外箱は、徳島県産ヒノキを使ったもので、20,500円で販売されていました。箱を開けて、三段重を広げるとなかなかの迫力があります。列車内で食べる食事とは思えないボリュームですね。

 

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(阿波川口駅の歓迎はなかなか迫力があります)

 

どれから食べようかと迷っていると、阿波川口駅に到着しました。これは運転停車で、この駅で乗り降りすることはできませんが、ホームに降りて地元の方々からのおもてなしを受けることができます。地元の物販などを見ながら少し休憩します。地元には妖怪タヌキ伝説が伝わっていることから、出発時には地元の方がタヌキに扮してお見送りしてくださいました。

 

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(阿波川口駅に停車する「四国まんなか千年ものがたり」号)

 

 車内に戻ると、お料理には紙の覆いがかぶせられていました。「四国まんなか千年ものがたり」号はサービスがきめ細かいですね。阿波川口駅出発後も、列車は大歩危峡を横に見ながらゆっくりと進み、大歩危駅出発から1時間ほどで阿波池田駅に到着しました。

 

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(料理に覆いをかぶせてくれるサービスのきめ細かさ!)

 

「南風」号だと大歩危駅阿波池田駅は20分ほどなので、以下にゆっくり走っているかがわかりますね。もっともこれは、特急列車がいかに速いかということも表しています。土讃線はほぼ全区間が単線であり、特急最優先のダイヤが組まれている代わりに、そのほかの列車は特急の退避や行き違いのために所要時間が余計にかかります。「四国まんなか千年ものがたり」号も、この時点で「南風」号1本に追い抜かれています。

 

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(土讃線阿波池田駅の手前で吉野川を渡ります)