西武秩父駅から羊山公園に向かいました。羊山公園では武甲山資料館を見学し、秩父のセメント産業の歴史を学びました。その後は秩父銘仙館を訪れ、秩父のもう一つの主要産業である絹織物 (秩父銘仙) 作りを体験しました。
(武甲山と Laview)
横瀬駅から1駅移動して、西武秩父駅に向かいます。西武秩父駅は、秩父鉄道の御花畑駅と隣接していますが、あくまで別の駅という位置づけです。西武線から秩父鉄道線に直通する列車は御花畑駅に停車し、西武線で完結する列車は西武秩父駅に入ります。なんとも面白い駅ですね。外から見ると、西武秩父駅の駅舎は立派で存在感があります。
(立派な西武秩父駅)
駅舎に隣接して「駅前温泉 祭の湯」という温泉施設があり、レストランや土産物屋さんもあるので賑わっています。温泉には旅の最後に入ることにし、フードコートで何か買って昼食にすることにしました。せっかくなので珍しいものをと思って、名物の玉こんにゃくを買いました。玉こんにゃく自体はおいしかったのですが、昼食がこんにゃくだけというのは無理があったようです。後で腸が刺激されて難儀しました…。
(玉こんにゃくは見た目はきれいで味も悪くなかったが…)
ここから徒歩で羊山公園に向かいました。羊山公園は台地になっていて、秩父の街並みを一望することができます。ちょうど羊山公園に沿うように西武線の線路が通っているので、列車を観察するのにもいいかもしれません。また、4月から5月上旬にかけては芝桜がきれいだそうです。羊山公園では、秩父の歴史や自然について学ぶことができる武甲山資料館を見学しました。館内は撮影しませんでしたが、武甲山の石灰石採掘の歴史などを学ぶことができました。
・秩父銘仙館
羊山公園を降りて次は秩父銘仙館に向かいました。秩父銘仙は秩父地方の絹織物で、植物模様が多いことが特徴です。
山がちで稲作に適さない秩父地方では、古くから養蚕が盛んであり、蚕から採れる生糸の生産も盛んに行われていました。秩父地方に西武線、秩父鉄道線、東武東上線という複数の鉄道が伸びているのも、石灰石の運搬のためであるとともに生糸の輸送のためではないでしょうか。秩父では、生糸を選別する過程で出た規格外の繭を使って、「太織り」と呼ばれる普段着を生産しており、これが後に耐久性の高さから「鬼秩父」と呼ばれて有名になりました。明治時代になって、「ほぐし捺染 (なっせん)」と呼ばれる模様の印刷技術が確立され、織物に派手な模様が描かれるようになり、これが「秩父銘仙」と名付けられて女性の普段着・お洒落着として流通するようになりました。
(美しい秩父銘仙)
現代では、秩父銘仙は、伝統的工芸品にも指定されています。伝統的工芸品に指定されると後継者育成のための予算が付き、秩父銘仙館は後継者育成のための拠点でもあります。秩父銘仙館では、養蚕や生糸生産、絹織物のための様々な設備を見学することができますが、これらは秩父銘仙後継者育成のための研修用でもあるようです。また、秩父銘仙館の建物は昭和5年に建築されたもので、建物自体も登録有形文化財に指定されています。
秩父銘仙館では私も織物体験をし、機織り機でコースターを作りました。機織り体験は1回1000円、30分ほどでできます!私は最もお手軽な機織り体験を選びましたが、ほかにも型染め体験や藍染め体験、予約が必要なほぐし捺染体験や裂織体験もあるそうです。
(様々な器具も展示されていました)