上大平台信号場を見学【箱根フリーパスで日帰り旅行③】

箱根登山電車には、険しい山道に対応するため、山岳鉄道ならではの工夫がたくさんあります。スイッチバックは、そのような工夫のうちの代表的なものです。

 

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(上大平台信号場の列車行き違いは見ものです)

 

 ・上大平台信号場にてスイッチバック&列車交換を撮影

 箱根登山電車は急勾配に対応するため、多数の特殊機構を備えています。例えば、車両には散水機が装備されており、急勾配を上る際は水を撒いて、線路と車輪の粘着力を高めて滑りにくくしています。また、ブレーキ機構も通常の鉄道車両よりも強力で、安全性を高めています。線路の面では、多数のスイッチバックを備え、勾配に対して距離を稼ぐことで勾配を緩やかにする工夫がなされています。

 

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(スイッチバックが連続しているため、さっき通って来た線路が車内から見える)

 

スイッチバック設備の一つが上大平台信号場であり、ここでは列車の交換も行われるほか、信号場の近くまで人が立ち入ることができます。箱根湯本駅から16分で、上大平台信号場の最寄である大平台駅に着きます。ちなみにこの大平台駅スイッチバック構造かつ、列車の交換ができる構造になっています。スイッチバックが連続していることからも、箱根登山電車がいかに急な勾配を登っているかがわかります。

 

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(大平台駅でも列車交換が行われる)

 

 大平台駅でも上り列車 (箱根湯本方面、坂を下る) と下り列車 (強羅方面、坂を登る) の交換が行われていました。2本の列車を見送って、上大平台信号場に向かいます。

 

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(坂を下る上り電車 (箱根湯本駅行き) が出ていった)

 

信号場までは歩いて10分強ですが、坂を登ったり下ったりするので大変です。舗装道路からけもの道のようなところに入ると上大平台信号場に着きます。信号場はフェンスで囲まれており、この中には入れませんが、フェンスの外からでも列車交換の様子を間近で見ることができます。

 

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(ベルニナ号が坂を下りてきた)

 

 少し待っていると上りの1000形「ベルニナ号」がやってきました (まあ時刻表で調べていたわけですが…)。「ベルニナ号」はスイス レーティッシュ鉄道のベルニナ線にちなんだものです。この編成は登場当初の復刻塗装でした。

 

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(坂を登るアレグラ号が来た)

 

次に下りの2000形「サン・モリッツ号」+3000形「アレグラ号」が入線し、「ベルニナ号」が先に出発して、その後に「サン・モリッツ号」+「アレグラ号」が坂を登っていきました。

 

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(ベルニナ号が坂を下っていく)

 

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(アレグラ号も出発)

 

この様子は、箱根登山電車を象徴する景色で、鉄道マニア以外の方にも楽しんでもらいたいものです。上大平台信号場はマニア向けかもしれませんが、スイッチバックと列車交換は大平台駅でも見られます。列車交換を撮影した後は、急いで大平台駅に戻ります。次の下り列車 (坂を登る、ややこしい…) を逃すと20分以上待たなくてはいけません。

 

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(大平台駅の駅舎は崖の上にあり、階段でホームに降りるようになっている)

 

 大平台駅にやってきたのはレーティッシュ鉄道塗装の1000形「ベルニナ号」でした。この塗装は小田原駅箱根湯本駅間の小田急普通列車にも採用されているようです。これに乗って一気に強羅駅まで行きます。強羅駅までは21分です。箱根登山電車は車窓の変化が大きく、眺めていて飽きませんでした。強羅駅付近になると勾配が緩やかになり、「緩やかになってきたな~」と思ったら強羅駅に到着します。