長野駅から飯山線の観光列車「おいこっと」に乗車【週末パスで行く関東甲信越周遊旅行⑤】

長野駅から飯山線の観光列車「おいこっと」に乗車しました。「おいこっと」はのんびりとした走りで、キャッチフレーズの通り、「いい川、いい空、飯山線」を満喫することができました。

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(快速「おいこっと」、森宮野原駅にて)

 ・快速「おいこっと」に乗車

 長野駅からは、飯山線の観光列車である快速「おいこっと」号に乗車します。飯山線は長野県の豊野駅新潟県越後川口駅を結ぶ路線です。豊野駅長野駅から3駅のところにあり、この区間しなの鉄道の路線ですが、飯山線の列車も全列車が乗り入れて長野駅まで運行されます。しなの鉄道のこの区間北陸新幹線の開業に伴って、JR信越本線長野駅妙高高原駅間がしなの鉄道北しなの線」として経営分離されたものです。しなの鉄道は、このほかに、長野新幹線の開業に伴って経営分離された軽井沢―篠ノ井間の「しなの鉄道線」の運行も担っています。

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(しなの鉄道にも「軽井沢リゾート」という観光列車があるようです)

 快速「おいこっと」号は、長野駅十日町駅間を観光列車です。名前は「TOKYO」を反対側から読んだ「OYKOT」で、東京とはかけ離れた懐かしい故郷を感じさせる列車という意味が込められています。使用車両はJR東日本の非電化路線でよく見かけるキハ110系で、これは、「ハイレール1375」などでも種車になっています。外装は赤を基調としたデザインで、車両側面には童謡「ふるさと」に出てくる「フナ」や「民家」があしらわれています。

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(童謡「ふるさと」に出てきそうなフナ)

 

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(童謡「ふるさと」に出てきそうな少年たち)

 

 「おいこっと」には、ほかのJRの観光列車と違った点があります。それは、近隣自治体への補償のために運行されているという点です。乗車している分には関係ありませんね…。JR東日本は、鉄道を運行するための電気を作る発電所として、長野県に信濃川発電所を所有していました。信濃川発電所水力発電所であり、水を利用するにあたって水利権が必要ですが、JR東日本は10年間にわたって許可された量を超えて取水していました。そのために2009年に、水利権を取り消されています。JR東日本は水利権を再取得するためには、近隣自治体の同意が必要であり、近隣自治体からの要望の一つに飯山線の活性化が盛り込まれていました。より具体的には、自治体側は蒸気機関車牽引の観光列車の運行を要望していましたが、蒸気機関車を運行するには路盤整備などに過大な経費が掛かるため、飯山線では現実的ではないとされ、代替としてキハ110系による観光列車「おいこっと」が運行されているわけです。

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(長野駅に停車する「おいこっと」)

 

 9:17「おいこっと」で長野駅を出発します。長野駅を出ると、長野総合車両センターが見え、189系 (?) を見ることができました。少し前まで中央線で毎週、長野地区では「おはようライナー」として平日毎朝走っていましたが、今では見ることができなくなりましたね…。

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(廃車となった189系と解結されたE233系)

 

豊野駅を出て少ししてからしなの鉄道と別れて飯山線に入ると、千曲川 (信濃川) と並走するようになります。飯山線は基本的に千曲川と並走するようにして走り、川の車窓が美しいです。

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(飯山線の車窓は美しい)

 

発車してすぐに、沿線の名物である野沢菜漬けが配られました。写真だと普通の野菜の漬物という感じですが…、車窓を眺めながら食べるととてもおいしかったです (車掌もいいですが味もよかったです!)。途中、川に面して棚田も見ることができ、稲の収穫前に来ればきれいだろうな~と思いました。「ふるさと」の風景そのままという感じがします。

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(この野沢菜漬がやたらおいしい)

 

 40分ほど走って飯山駅に停車します。飯山駅北陸新幹線との乗換駅でもあり、ここから「おいこっと」を利用してもよさそうですね。飯山駅では10分ほど停車しました。飯山駅には仕掛け時計があり、10時になると仕掛けが動くのを見ることができます。「おいこっと」のダイヤはそこまで計算されているのでしょうか。

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(飯山駅の仕掛け時計)

 

駅の観光案内所兼アンテナショップで、地域の名物である「つちびな」を買いました。丸いフォルムのフクロウがかわいいですね。また、小腹が空いたので、笹寿司も買いました。紅生姜と酢飯の素朴な味が印象的でした。

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(飯山駅の「つちびな」、丸いフォルムがかわいい)

 

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(笹寿司、シンプル・イズ・ベスト)

 

 列車は飯山駅を出て、再び千曲川雄大な景色を眺めながら走ります。途中、戸狩野沢温泉駅で反対列車と行き違い、その後、森宮野原駅で20分弱停車しました。ここで記念撮影の時間があるということで、乗っていた鉄道マニアの方々がカメラを手に列車から降りていきました。私もカメラを手にその列に続き、いろんなアングルから「おいこっと」を撮影しました。

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(森宮野原駅にて記念撮影)

 

 森宮野原駅は1945年に 7.75 m の積雪を記録し、駅構内に「JR日本最高積雪地点」の標柱が建っています。この標柱は車内からも外からも見ることができます。駅舎も趣のある装飾が施されていて、森宮野原駅は見るべきものが多いです。

 

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(森宮野原駅は日本最高積雪を記録しました)

 

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(いろんな角度から記念撮影しました)

 

 森宮野原駅を出てしばらくすると千曲川 (新潟県に入ると信濃川) の流れから離れ、またしばらくすると十日町駅に着きます。十日町駅には11:50の到着。十日町駅には多数のキハ110系が停まっていました。

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(キハ110系大集合!)