鋸山ロープウェーの山頂駅から日本寺の大仏までは徒歩で1時間弱です。道中で名勝を見ながら行くのがおすすめです。東京湾フェリーでは、東京湾を行き交うたくさんの船を見ることができます。
(ゆっくり航行する貨物船と足の速いジェットフォイル)
・鋸山ロープウェーから乾坤山日本寺へ
ロープウェーの山頂駅から日本寺までは、けっこう離れており、徒歩40分ほどかかります。しかも道は平たんではなく山道なので、直行しようとすると疲れてしまいます。なので、途中、「十州一覧台」や「地獄のぞき」といった名勝に立ち寄りながら向かいます。この日はよく晴れており、「十州一覧台」から富士山を見ることができました。「十州一覧台」という名前は、関東地方にあたる「関八州」と静岡県にあたる伊豆、駿河を合わせた十州を一望できることからついたらしいですが、本当なのでしょうか。もっとよく晴れていれば見渡すことができるのかもしれません。「十州」とまではいかなくても、富士山のほか、東京湾を行きかうたくさんの船を見ることができました。
(富士山と貨物船、東京湾を象徴する景色です)
「地獄のぞき」はよく宣伝されていて有名なためか、観光客が多く、その割に場所が狭いので、今回はスルーしました。切り立った崖になっており、下を覗くと地面がなくてスリル満点の景色を見ることができます。そのほかにも道中、かつての石材切り出し場の面影を感じることができます。
(下側から「地獄のぞき」を覗きます)
寄り道をしたので1時間ほどかかって日本寺に着きました。ここの大仏は確かに大きいですが、野外にあって比べるものがないのでスケール感がつかみにくいですね…。奈良や鎌倉の大仏より全然大きいそうです。
(日本寺の大仏、石造りです)
日本寺からロープウェーの山頂駅までは近道があり、帰りはそこを通って、行きとは違う道で行くことができます。しかし、この日は台風19号の影響で近道が崩落しており、来た道を戻らなければなりませんでした。これがなかなか大変でした…。観光は往路で済ませているので、帰りは黙々と歩き、ロープウェーで下山します。
(2台のロープウェーが並びます)
帰りは東京湾フェリーで久里浜から東京を目指します。東京湾フェリーは浜金谷―久里浜間を結んでいるフェリーです。この日は「ドックダイヤ」で運行本数が少なかったですが、普段は1時間に1本程度の運航があります。東京湾アクアラインのおかげで、東京と千葉県がだいぶ近くなりましたが、アクアラインができるまでは、神奈川県から房総半島に行くには、この東京湾フェリーを利用するのが最速ルートでした。東京湾アクアラインによって、JR東日本の房総特急は大打撃を受けましたが、この東京湾フェリーもまた打撃を受けた交通手段の一つです。乗船料は大人800円、実は東京からなら、内房線を回るのと、京急線で久里浜まで行ってフェリーに乗るのはあまり変わらないようです。ちなみに自動車は4100円です。
(「フェリー」なので車も乗せることができます、アクアライン開通以前はもっと賑わっていたのでしょうか)
フェリーまで時間があったので、浜金谷港に隣接する商業施設「ザ・フィッシュ」で休憩することにしました。ここでは、千葉県の様々なお土産物を買うことができます。「ザ・フィッシュ」内の「見波亭」のバームクーヘンは、旅行ガイドなどでイチオシのお菓子です。気になったので食べてみましたが、普通のバームクーヘンでした!普通においしかったです!
(「ザ・フィッシュ」のレストランではバームクーヘンセットをいただくことができます)
浜金谷港では、東京湾フェリーと京急バス・京急線がセットになった切符が売っていました。久里浜港から京急久里浜駅は少し離れており、バスで接続しているようです。
(千葉麺に京急線の運賃表がありました)
フェリーにはタラップで乗ります。東京湾には、東京港を発着する多数の船が行き来しています。東京湾フェリーはそれらを横切る形で運転するので、たくさんの船を観察することができます。船観察も東京府湾フェリー名物の一つで、ホームページにも宣伝されています。
(大きな貨物船とすれ違いました)
私が乗船したのは、ちょうど夕暮れ時だったので、夕日を受けて走るたくさんの貨物船を見ることができました。また、東海汽船のジェットフォイルが駆け抜けていく姿も見ることができました。東京湾はあまりにも船の数が多いため、制限速度が設けられていますが、このジェットフォイルは例外となっているようです。
(東海汽船のジェットフォイル、ピンクの塗装なので「セブンアイランド愛」でしょうか)
久里浜港までは40分ほどで着きます。浜金谷は田舎感がにじんでいましたが、久里浜に着くと完全に都会の街並みが広がっていました。
久里浜港から京急久里浜駅までは、徒歩20分ほどです。久里浜駅の駅前は、マンションや商業施設が立ち並んでおり、建物にさえぎられて海がどこにあるのかわからなくなってしまいます。久里浜駅からは、クロスシートの「特快」で品川に帰ります。標準的な赤い電車ではなく、青い塗装の「北海道ほたて」号がやってきました。車内広告も北海道一色になっていました。
(青い京急)