中央線経由で行く大津→東京の旅、途中「ワイドビューしなの」に乗車し、上諏訪にて観光【青春18きっぷで帰省】

大津から東京まで、往路に続いて復路も中央線経由で移動しました。途中、「ワイドビューしなの」でワープを実行し、上諏訪での観光時間を確保しました。上諏訪では「諏訪の浮城」とも言われる高島城と、「千人風呂」で有名な片倉館を訪れました。上諏訪―茅野間は図らずも新型E353系スーパーあずさ」で二度目のワープを行い、無事に東京に帰り着くことができました。

 

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 (ひょんなことからE353系スーパーあずさ」に乗ることになりました)

 

 

・大津→米原→名古屋

 7:44大津発。ここから新快速に乗車します。米原までは50分ほど。毎回、新快速の走りには惚れ惚れします。速いものですねぇ。8:33米原着。ここからはJR東海管内に入ります。大垣行きに3分の乗り換えです。8:33米原発。米原―大垣間は峠越えの区間であるためか、短区間運行の列車が多いです。新快速は12両の長編成ですが、米原―大垣間は4両か6両 (一部8両) なので、青春18きっぷの利用期間には、新快速から乗り換える多くの乗客が殺到します。私が乗った列車もかなり混雑していて、さらに悪いことに混雑の影響で遅れ始めました。時刻表では9:05大垣着のはずですが、数分遅れて到着しました。ま、私も「青春18きっぱー」なので文句は言えません…。

 

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(新快速豊橋行きに乗車、「新快速」の名称はJR西日本が発祥です)

 

大垣からは新快速豊橋行きに乗車。いつもならここでうまく座席を確保し、豊橋まで快適な旅を楽しむのですが、今回は中央線経由で行くので名古屋までの乗車です。9:11大垣発、のはずでしたが、ここでも「お客様の乗降に時間がかかりましたため」3分ほど遅れて出発しました。このあたりから私は焦り始めました。もともとの旅程では名古屋での乗り換え時間は3分です。3分遅れた状態で名古屋に到着すると乗り継ぎの中央線に乗り遅れてしまいます。中央線の列車が東海道線普通列車を待ってくれるとは思えません…。案の定名古屋には3分遅れで到着、9:43着の予定でしたが、9:46に到着しました。無情にも、中央線ホームから乗車する予定だった快速列車が発車するのと、私が乗る列車が名古屋駅に入線するのが同時でした…。

 

・名古屋→高蔵寺→中津川

 当初の予定では9:46名古屋発の快速に乗車し、11:07中津川着、11:49中津川発の「ワイドビューしなの9号」に乗るまで、中津川駅周辺を観光することになっていました。ところが、9:46の快速には乗車できませんでした。次に中津川まで直通する列車は10:24名古屋発、11:39中津川着で、これでも「ワイドビューしなの9号」には間に合います。しかし、名古屋では何度も途中下車したことがあり、いまさら40分ですることもないように思ったので、9:53名古屋発の普通列車で途中の高蔵寺まで行ってみることにしました。

 

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(普通 高蔵寺行き、211系で運転されます)

 

ホームに停まっていた211系はロングシートで、車内はガラガラでした。みんなさっきの快速に乗って遠くに行ってしまったのでしょうか。高蔵寺までは30ほどの乗車。時刻表でこの後の流れをチェックしたり、高蔵寺周辺の名所を検索しているうちに到着しました。10:25高蔵寺着。そして、検索しているうちに気づいてしまいました…、高蔵寺には何もない!(高蔵寺にお住まいの方すいません、駅周辺の観光スポットがないというだけで、住むには良いところだと思います) 。駅前広場に出て駅舎を撮影し、昼食のお弁当を買ってホームに戻りました。

 

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(高蔵寺駅ベッドタウンという雰囲気です)

 

高蔵寺からの快速列車は、かつて「セントラルライナー」として走っていた313系8000番台でした。「セントラルライナー」は中央線の名古屋―中津川間の着席保証型の快速列車として1999年から導入され、専用車両として313系8000番台が使用されましたが、3013年のダイヤ改正で廃止され、現在は313系8000番台は通常の快速列車として走っています。そのような経緯で、313系8000番台はその他の普通列車に比べてシートピッチが広い背もたれが大きい扉付近に仕切りがある、など、設備が豪華になっています。それでもテーブルまではなく、なかなかの混雑率でしたのでお弁当を広げられる雰囲気ではありませんでした。

 

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(快速 中津川行きは313系8000番台での運転です)

 

10:51高蔵寺発。「快速」として途中駅を飛ばすのは多治見までで、多治見―中津川間は各駅に停まります。11:39中津川着。時間通りに到着することができました。

 

・中津川から「ワイドビューしなの9号」に乗車

 中津川からは「ワイドビューしなの9号」に乗車します。普通列車を乗り継いでも、日付が変わるまでには東京に戻ることができますが、この日は東京駅に20時に着く必要がありましたので、ここからいわゆる「ワープ」をしました。「青春18きっぱー」が言う「ワープ」とは、青春18きっぷ利用者が一部の区間で特急に乗車して時短効果を狙うことです。青春18きっぷでは特急には乗車できないので、その区間では特急券だけでなく乗車券も必要です。中津川―塩尻間は乗車券1660円、指定席特急券1900円 (繁忙期だったので通常期+200円) でした。JR東海の指定席特急料金は50 km までが1270円、100 km までが1700円、150 km までが2350円となっており、中津川―塩尻間は94.9 km でギリギリ 100 km 未満なので、効率的な乗り方と言えます。ちなみに中津川から普通列車を乗り継いでも20時に東京駅に着くことはできるのですが、それだと途中下車せずにひたすら移動になってしまうので…、それはご勘弁ですよね…。ここで特急に乗ることで、後述するように上諏訪で観光する時間を作ることができました。上諏訪では1時間40分ほど滞在したので、それだけの時短効果が得られたことになります。

 

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(中津川から乗車した「ワイドビューしなの9号」)

 

 「ワイドビューしなの」というのは「ワイドビュー型車両を使ったしなの」という愛称で、この特急の正式名称は「しなの」だそうです。「しなの」は名古屋―長野間を結ぶ中央線の特急列車で、臨時列車は松本から大糸線に入り白馬まで直通します。したがって、臨時列車は長野駅には直通しません。かつては大阪始発の「しなの」が設定されており、大阪―長野間は441 km で在来線の昼行特急では最長の運行区間を誇っていました。また、大阪―米原間はJR西日本米原塩尻間はJR東海塩尻―長野間はJR東日本の管轄であり、大阪始発の「しなの」はJR 3社にまたがって運行される唯一の在来線の昼行特急でした。しかし、大阪始発の「しなの」は2016年のダイヤ改正で廃止され、現在では全列車が名古屋―長野間の運転 (一部臨時列車は名古屋―白馬間) です。大阪始発廃止の理由としては「しなの」は中央線の単線区間の待ち合わせによる遅れが常態化しており、その遅れが京阪神の鉄道網にも波及してしまうこと、新大阪―名古屋間を新幹線で移動して「しなの」に乗り継ぐルートの方がメジャーになったことなどが挙げられるでしょう。ちなみに、在来線で最長の運行距離を持つのは寝台特急サンライズ出雲」であり、「サンライズ出雲」はJR西日本JR東海JR東日本の3社にまたがって運行されています

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 現在の「ワイドビューしなの」は383系電車によって運転されており、カーブの多い中央線を高速で走るために383系には制御付き自然振り子が搭載されています。この夏は381系「やくも」、キハ187系スーパーまつかぜ」など、振り子付き列車にたくさん乗ることができました。11:49中津川発。木曽川を見ることができる進行方向左側の窓側の指定席を確保したので、美しい木曽川の景色を眺めながらお弁当を食べることができました。「今度こそは寝覚めの床を撮ろう!」と意気込んでいたのですが、「ワイドビューしなの」の速さは予想以上で、またもやシャッターチャンスを逃してしまいました。

 

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(変化に富む木曽路の車窓は見ていて飽きない)

 

中央線のこの辺りは単線になったり複線になったりを繰り返しますが、そんな変化を感じさせることなく「ワイドビューしなの」は快走します。12:44塩尻着。約1時間の乗車でしたが、まったく飽きない快適なひと時でした。

 

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(塩尻から、普通 小淵沢行きに乗車)

 

 ここから「青春18きっぷの旅」に復帰し、再び普通列車に乗車します。12:58塩尻発。またもや211系でした。この列車は混んでいて、座席を確保することができませんでした。松本から乗っていたお客さんに加えて、「ワイドビューしなの」からもたくさん乗り換えてきましたからね。上諏訪までの約20分間は立ち客として乗車しました。13:19上諏訪着。

 

・高島城を見学し、片倉館の「千人風呂」で汗を流す

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(レンタカー屋さんでママチャリをレンタル)

 

 諏訪湖周辺はサイクリングが盛んなようで、上諏訪駅下諏訪駅岡谷駅周辺にはレンタサイクル店が多数営業しています。私は、上諏訪駅前のレンタカー屋さんで自転車をレンタルしました。自転車に乗って高島城に向かいました。上諏訪駅から高島城までは自転車で10分ほどです。

 

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(高島城の復元天守閣)

 

高島城は、今では内陸にありますが、1598年に完成した当初は諏訪湖が城に迫り、「諏訪の浮城」と呼ばれていました。もともとは豊臣秀吉の家臣である日根野織部正高吉によって築城されましたが、江戸時代には諏訪氏の居城となり、このあたりは諏訪藩として栄えていました。高島城は、廃藩置県によって天守閣が撤去され、一帯は城址公園として一般に開放されていましたが、1970年に天守閣が復元されました。

 

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(復元天守閣から諏訪湖を望む、手前の陸地は埋め立てによってできたそうです)

 

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(内部には階段があり、吹き抜け構造になっています)

 

復元天守当時はやりのコンクリートで作られ、階段部分は上層部まで吹き抜けになっています。とはいえ、コンクリートだろうが何だろうが、お堀に浮かぶ高島城は往時の「諏訪の浮城」の面影をとどめています。

 

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(高島城はお堀によく映えます)

 

14時ごろ、高島城を後にし、諏訪湖沿いを自転車で走っていると、なぜかSLが展示されていました。展示されていたのはD51です。この辺りは諏訪湖畔公園として整備されているようです。後で調べてみたところ、このD51篠ノ井線中央東線で活躍していたものだそうです。

 

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(諏訪湖畔公園のD51)

 

諏訪湖畔公園を抜けて、しばらく自転車を走らせ、片倉館に向かいました。片倉館到着は14:15ごろです。片倉館は片倉財閥二代当主の片倉兼太郎が地域住民のために建てた温泉施設です。

 

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(片倉館、写真は温泉施設がある建物)

 

片倉家は諏訪郡を発祥とし、明治時代に製糸業で成功をおさめ、片倉財閥を形成して「シルクエンペラー」と呼ばれました。二代目社長片倉兼太郎はヨーロッパ視察の際、農村部にも厚生施設が充実しているのに感銘を受け、諏訪地方に地域住民のための厚生施設として片倉館を建てました。片倉館は1928年に竣工され、各国の建築様式を取り入れた型にはまれない設計から、現在では国の重要文化財に指定されています。

 

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(片倉館、旧宿泊・宴会施設)

 

また、浴場施設はステンドグラス彫刻の豪華の装飾があり、深さ約1.1m のプールのような大浴場を持つことから「千人風呂」と呼ばれています。大浴場は、百人が一度に入れる程度の大きさだそうです (あれ???)。実際に入ってみると、浴場に彫刻があるのは新鮮であり、古代ローマの浴場にいるかのようでした。1.1 m の深さの湯船も他の施設にはない独創的なものであり、とても印象的でした。

片倉館では入浴とセットで旧宿泊・宴会施設を見学することができます。セット券は900円。実際の順路としては、施設を見学した後、入浴するような流れになります。宴会場の雰囲気や、宿泊施設の調度品を楽しむことができました。

 

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(宴会場の様子)

 

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(東郷平八郎の書、「忠誠、金石をも貫く」と読みます)

 

15分ほどで施設見学を終え、30分ほどであわただしく温泉に浸かりました。豪華なお風呂だったのでもっとゆっくりしたかったのですが、列車の時間が迫っていましたので…。15時に片倉館を出て、5分ほどで上諏訪駅に戻りました。

 

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 (温泉の後のコーヒー牛乳はやめられません)

 

上諏訪―茅野を「スーパーあずさ」でワープ、甲府、立川へ

 15:09上諏訪発の普通列車にギリギリ乗れるはず、と思って上諏訪駅のホームに駆け込みましたが、列車がいません…。おかしいと思って時刻表を見てみると、15:04発以外にそれらしい列車が見当たりません…。どうも時刻表を読み違えていたようです。この日は20時に東京駅に行かなければならない用事があったので、ここでのミスは致命傷になります。

どうしたものか慌てていると、特急「スーパーあずさ22号」入線のアナウンスが聞こえてきました。これで甲府あたりまで行くしかないかと思いましたが、時刻表をよく見ると、先ほど乗る予定だった普通列車が15:04上諏訪発、15:22茅野発、であるのに対し、スーパーあずさ22号」は15:12上諏訪発、15:18茅野発となっています。つまり、「スーパーあずさ22号」に上諏訪―茅野間の1駅間だけ乗れば、当初の予定に復帰できるのです。というわけで、「スーパーあずさ22号」に飛び乗りました。この列車は新型のE353系による運転です。

 

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(上諏訪駅E353系スーパーあずさ22号」が入線)

 

中央線ユーザーとしてオレンジ色の快速列車からよく見る列車で、いつか乗ってみたいと思っていましたが、まさかこんな形で乗車することになるとは。1区間だけですがよい体験になりました。上諏訪―茅野間は乗車券195円、自由席特急券750円でした。1000円足らずで絶望から解放されるなんてありがたい限りです。15:18茅野着。

茅野からは先ほど乗る予定だった普通列車に乗車、15:22茅野発。ここからはひたすら中央東線を東に進みます。16:22甲府着。

 

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(甲府駅にて信玄餅でおやつ)

 

甲府では乗り継ぎに時間があったので信玄餅をいただきました。16:42甲府発。この列車で、一気に立川まで行くことができます。18:59立川着。立川からは、お馴染みのオレンジ色のE233系で東京駅まで向かい、無事に20時に東京駅に着くことができました。