東京発サンライズエクスプレスで行く四国の旅 (復路編)

サンライズエクスプレスで行く四国の旅」シリーズは今回で完結です。

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高松駅を出発 (…のその前に)

 上りのサンライズ瀬戸高松駅を21:26に出発です。高松駅にはサンライズ瀬戸以外にも、いしづち号うずしおなど数多くの特急列車や普通列車が入線していました。

 

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(8600系いしづち号。8600系はJR四国の最新型電車です。全面は蒸気機関車をイメージしたそうですが、伝わりますかね)

 

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(N2000系うずしお号。うずしお号は16往復半のうち4往復が新型の2600系で運行されています)

 

 いしづち号は予讃線の特急で高松-松山間を結んでおり、基本的に宇多津-松山間はしおかぜ号と併結して走ります。しおかぜ号は岡山-松山間の特急です。JR四国が誇る特急ネットワークを垣間見ることができますねうずしお号は高徳線の特急で高松-徳島間を結んでいます。入線していたうずしお号はN2000系でした。N2000系は世界初の制御振り子式気動車2000系をもとに改良したもので、高徳線最高時速130 km を目指して設計されました。投入から約20年がたっており、最近、うずしお号の一部の運用は新型の2600系に置き換わっています。

ここで2600系についての小噺を一つ2600系2000系を置き換えるために設計された形式で、制御振り子式ではなく車体傾斜装置を採用しています。車体傾斜装置は空気ばねによってカーブで車体を傾斜させるもので、振り子式よりも車体設計が簡略化でき、メンテナンスコストを下げることができるそうです。2000系は現在でも予讃線宇和海土讃線南風号に投入されています。あれ、なぜ2600系宇和海号や南風号よりも先にうずしお号に投入されたのでしょうか。実は2600系で南風号として走るための試運転を行ったところ、カーブが連続する土讃線では空気容量が足りないということがわかり、比較的カーブの少ない高徳線うずしお号に投入されることになったそうです。実に迷列車ですね。

 

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(四国新幹線は実現するのでしょうか)

 

 高松駅には四国の新幹線実現を目指す看板が掲げられていました。2011年に九州新幹線の鹿児島ルート、2016年に北海道新幹線新青森-函館新北斗間が開業し、JR四国以外のJR各社は新幹線を持ち (JR貨物は除きますが)、四国のみが取り残される形となりました四国新幹線整備新幹線には入っておらず、実現までの道のりは長いといえるでしょう。一方で本州と四国を結ぶ橋のうち、瀬戸大橋は新幹線用のスペースが確保されています。すなわち瀬戸大橋は線路4本分のスペースがあり、もともとは片側を在来線用、片側を新幹線用とする計画だったようです。しかしながら、新幹線が開通しないまま在来線が片側のみを使うのは設計上問題があるということで、現在は中央部の2本を在来線が走っています。新幹線を通す際には改めて片側に在来線用の線路を引き直すそうです…。また、徳島県と淡路島を結ぶ大鳴門橋にも新幹線用のスペースが確保されています。一方で、淡路島と本州を結ぶ明石海峡大橋はバブル後の予算不足の時に作られた関係で鉄道用のスペースを持たない純粋な道路橋として開通してしまいました…。なお、最近大分県が豊後水道に海底トンネルを通し、大分-松山間を単線の新幹線で結べば採算が取れるという試算を発表しました。四国新幹線が実現すれば、大阪-大分間は新大阪-博多-大分よりも新大阪-岡山-松山-大分の方が早いそうです。どうなる四国新幹線…。

 

サンライズ瀬戸に乗車

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(高松駅に停車するサンライズ瀬戸高松駅には実に多くの列車がやってきます)

 

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(乗車後、一目散にシャワーカード販売機に向かいましたが、「販売中」の表示を見てホッとしました)

 

 だいぶ話がそれましたが、サンライズ瀬戸に乗車しました。東京駅で乗ったときは行列ができていましたが、今回は行列もなく拍子抜けした気分です。真っ先にシャワーカードを買いに行きましたが、1人を並んでおらず、余裕で購入できました。切符をとる時点で下り列車はプラチナチケットでしたが、上り列車は1週間前でも空きがあり、ある程度予想したことではありますが…。旅行会社から出ているパックでは、東京駅からの下りのみサンライズ瀬戸・出雲に乗車して帰りは飛行機というプランが多いみたいです (下り列車の予約のいきさつは往路編をご覧ください)。

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というわけで、帰りはシングルが空いており、それも1階席、2階席、平屋席ともに空きがあったので、進行方向右側 (海側) の2階席を確保しました。これについては後述します。

 

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(往路で利用したソロ)

 

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(復路で利用したシングル。天井のでっぱりがないのと、ベッドわきのスペース、頭のところに簡易テーブルが付いていることがわかります)

 

 シングルの寝台料金は7560円でソロに+1080円です。違いとしてはシングルには小さいながらテーブルあるベッドのわきにスペースがありカバンなどが置ける天井が高いという点が挙げられます。また、恥ずかしながら私は気づきませんでしたが、シングルには天井のわきにも荷物スペースがあるそうです (鉄道マニア失格ですね、いや、私は鉄道マニアではない!)。さらに、ソロはモーター車に設置されるのに対してシングルは付随車に設置されるのでシングルのほうが静かだといわれています (個人的にはソロでも音は気になりませんでしたが)。実際に乗った感想としては、ソロでも満足なのですが、やはりシングルの方が格段に快適でした。特に大きな荷物がある場合はソロでは厳しいでしょう。あと、頭を天井にぶつけない点がよかったですね (往路編を参照)。

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岡山駅サンライズ出雲と連結

列車は1時間ほどで岡山駅に到着しました。岡山駅には22:23に到着し、22:34に出発します。この間にサンライズで最も重要なイベントが起こります。そう、サンライズ瀬戸サンライズ出雲との連結です。たくさんの人が列車からホーム上に出て、連結シーンにカメラを向けていました。先にサンライズ瀬戸が入線し、しばらくしてからサンライズ出雲が入ってきます。サンライズ出雲サンライズ瀬戸と少し間を空けていったん停止し、ここで作業員さんが両者の連結器の覆いをとります。次に貫通扉が開いて、サンライズ出雲サンライズ瀬戸に近づき、連結!連結後、車掌さんから列車に戻るようアナウンスがあり、すぐに東京に向けて出発しました。

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(サンライズ瀬戸岡山駅について数分後、サンライズ出雲も入線しました)

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(連結器の覆いが取られて…)

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(貫通扉の右側が開き…)

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(左側も開き…)

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(サンライズ出雲がゆっくりと前進し…)

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(連結っっっ!!!)

 

シャワーを浴びて就寝、目覚めるとサンライズ

 岡山を出てしばらくすると眠たくなってきたのでシャワーを浴びて眠ることにしました。シャワーは編成ごとに2つ (サンライズ瀬戸・出雲併結時だと4つ!) ありますが、1つはA寝台のお客さん用、1つはB寝台のお客さん用です。A寝台の方が部屋数が少ないので少し贅沢ですね (本当はB寝台の乗客がA寝台側のシャワー室を使えるそうですが…どうなんでしょう…)。脱衣所も広く取られていて快適です。シャワーは6分間で、シャワーを浴びている間は手元でカウントダウンが行われます。急かされているような気もしますが、男性ならば余裕を持って利用することができます。ボディーソープとシャンプーは備え付けられていますが、タオル類の用意はないので各自で準備が必要です。シャワー使用後は洗浄ボタンを押しましょう。風が出てシャワー室が洗浄されます。轟音と共にシャワー室が洗浄されます。よって、前の人が使った後でも清潔感がある状態でシャワーを利用することができます。

 

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(サンライズのシャワールーム。清潔感に満ちていますね。)

 

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(シャワー使用後は洗浄ボタンを押しましょう。轟音に驚かされます)

 

 シャワーを出て部屋に戻ると大阪駅に到着するところでした。大阪駅00:33発、サンライズ瀬戸・出雲は上りのみ三宮駅大阪駅に停車します。夜行バスよりも遅い時間に発車するので、大阪から東京方面に向かう場合は便利ですね。さて、京都駅は基本的にすべての列車が停車しますが、サンライズは通過します大阪駅を出た時点でかなり眠たかったですが、鉄道マニアらしく京都駅通過までは頑張って起きて、京都駅を過ぎたあたりで眠りにつきました。

 

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(大阪駅を出発したところ。大屋根が立派ですね)

 

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(淀川を渡るところ。東海道線は3回淀川を渡ります)

 翌朝は05:30にアラームをセットして起床しました。東京駅07:08着なのでかなり早起きですが、この時間に起きたのは朝日 (=サンライズ!) を眺めるためです。上述のように今回は進行方向右側、すなわち海側の部屋をとることができたので、うまくいけば根府川あたりの海が見える区間で朝日を拝むことができるなと思ったわけです。期待通り、ばっちり朝日を見ることができました。ここで力尽きて二度寝しましたが…。横浜駅発車 (06:45) と共に起きて急いで支度し、東京駅のホームに降り立ちましたとさ。めでたしめでたし。

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(朝日や!!05:56に撮影しました)

 

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(東京駅07:08着。サンライズエクスプレスの旅はとても快適でした)

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