東京発サンライズエクスプレスで行く四国の旅 (往路編)

今週のお題ゴールデンウィーク2018」

 ゴールデンウィークは四国に住む友人のところに行ってきました。四国での旅程と帰路については別の記事にし,今回は往路について紹介したいと思います。

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寝台特急サンライズ瀬戸

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(東京駅で出発を待つサンライズエクスプレス (285系電車)。車齢20年で、後継車は設計されないのではと噂されています…)

 

 まず、寝台特急サンライズ瀬戸の紹介です。東京―高松間と東京―出雲市間には日本で最後となってしまった寝台特急が走っており、この列車名をそれぞれ「サンライズ瀬戸」、「サンライズ出雲」と言います。この2つの列車は東京―岡山間を併結して走っており、使用する車両も同じ 285 系電車です。下りサンライズ瀬戸は毎日東京駅を22:00に出発し、岡山06:27着、高松07:27着で、最終の飛行機よりも遅く東京を出発し、始発の飛行機よりも速く高松に着くことができます。東京―高松間の料金は運賃11,310円、特急券3,240円、寝台券がソロ (最安のB 寝台) なら6,480円、シングル (ソロより一つ上の B 寝台) なら7,560円であり、ノビノビ座席 (フルフラットのカーペット、大型船の雑魚寝席のようなイメージ) なら座席指定券520円で利用することができます。まとめるとソロなら21,030円、シングルなら22,110円、ノビノビ座席なら15,070円となりますちなみに東京―岡山間だとソロ20,200円、シングル21,280円、ノビノビ座席14,240円です。寝台券は距離によらないので長距離で利用した方がお得感がありますね。

 

 

旅立つまで

 では出発までの流れをどうぞ。まず、先方の都合で四国行が決まったのは4月1日でした。前々から四国に行く際にはサンライズ瀬戸を利用したいと考えていたのですが,GWのサンライズはプラチナチケットと化します!実際に、4月1日に催行が決まった瞬間に最寄り駅のみどりの窓口に走り,空席状況を確認しましたが,定期のサンライズ瀬戸は満席でした…。JRの指定券の発売は前月の同じ日付なので、発売後6日でこの状況ということになります。しかし、ここであきらめてはいけません。高松まで向かう場合、サンライズ瀬戸が満席ならばサンライズ出雲を岡山まで利用するという手があります。上に書いた通り、サンライズ瀬戸サンライズ出雲は東京―岡山間は併結して走り、実質的に同じ列車です。こうすることによってダイヤのスジを節約し、貨物列車や通勤列車の多い東海道線を運行しているのです (たぶん…)。サンライズ瀬戸・出雲が日本最後の定期寝台特急として生き残れた理由の一つはこれでしょう。また、サンライズエクスプレス (285系電車) は5 編成あり、多客期には臨時列車が運行されます (どういうことか後でじっくり説明します)。私が利用する日もちょうど臨時便 (サンライズ出雲91号) が運行される日に当たっていました。駅員さんに調べてもらったところ、定期のサンライズ出雲と臨時のサンライズ出雲91号のソロが1部屋ずつ空いており、サンライズ出雲91号を取ってもらいました (なんで臨時便にしたかって?それも後で説明します)。

 

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(サンライズ出雲91号のソロとマリンライナー15号のグリーン席を用意しました。青春18きっぱーにとってはなかなかの贅沢です。)

 

 さて、またサンライズエクスプレスについて鉄ちゃん要素の強いお話です。臨時便とは何かについてと、なぜ東京―岡山間で臨時便にしたかについて。サンライズエクスプレス (285 系電車) はJR西日本が 3 編成 (7両×3)、JR東海が 2 編成 (7両×2) を保有しており、すべて共通運用となっており、下りサンライズ出雲として東京駅を出発すると上りサンライズ出雲→下りサンライズ瀬戸→上りサンライズ瀬戸として運用をこなし、次は再び下りサンライズ出雲となります。つまり東京→出雲市→東京→高松→東京のサイクルを繰り返していることになります。したがってJR東海所属車はJR東海の車庫に帰ることはなく、これもマニアをくすぐるポイントになります。1 日で見ると、下りサンライズ出雲、下りサンライズ瀬戸、上りサンライズ出雲、上りサンライズ瀬戸として4 編成が稼働していることになり、1 編成は予備編成です。これは車検などで編成が運用に入れない場合があるためですが、多客期にはこの予備編成を利用して臨時列車サンライズ出雲91号・92号が運行されることがあります。91号が下り、92号が上りです。ただし、予備が 1 編成しかないので片道運行のみ、すなわち下り91号が運行される日には上り92号の運行はなく、92号が運行される日には91号はありません。ということでサンライズ瀬戸・出雲がプラチナチケット化する GW には臨時便が出たりするわけです。

 また、臨時便は定期列車の邪魔にならないように運行されるため、定期列車よりも時間がかかるのが普通です。定期のサンライズ出雲は東京駅22:00発、出雲市駅09:58着で、臨時のサンライズ出雲91号は東京駅22:21発、出雲市駅13:07着、臨時便の方が所要時間が 2.5 時間ほど伸びています。普通はこれが臨時サンライズのデメリットになりそうですが、岡山の到着時間は定期便が06:27、臨時便なら08:48であり、臨時便の方がちょうどいい時間に着きますね (早朝に着いた方がいいという方もいらっしゃるかもしれませんが…)。というわけで今回は臨時のサンライズ出雲91号で岡山まで向かうことにしたわけです。

 

旅立ち

 では旅の始まりです。この日の夜はアルバイトでしたので、その後に東京駅に向かいました。仕事終わりに旅に出られるのも寝台特急の良いところですね。乗ったら寝てしまえばよいのですから。22:21の発車ですが、22時前に東京駅に向かいました。定期サンライズと臨時サンライズ出雲91号の並びを撮影しようと思ったのです。ホームに上がるとちょうど定期サンライズの出発と臨時サンライズ出雲91号の入線がほぼ同時でうまく撮影できませんでした。これを狙うにホームの北側がいいようですね…。サンライズ出雲91号の入線後はすぐに列に並んでドアが開くのを待っていました。シャワーカード争奪戦に参加するためです。サンライズ号にはシャワーが付いていますが、部屋がソロやシングル、ノビノビ座席の場合は車内でシャワーカードを買わないと利用できません (シングルデラックスの場合はあらかじめシャワーカードが付いているので争奪戦とは無縁です!)。シャワーカードには数に限りがあり、うっかりするとシャワーにありつけません。で、ドアが開いた瞬間にシャワーカードに自販機に向かいました。が、2 人ほど手前で無情にも売り切れてしまいました…。皆さん、シャワーカード自販機は3 号車後ろ側 (定期サンライズ瀬戸は 3号車、サンライズ出雲は 10 号車) です。シャワーカードを手に入れるためにはここに並びましょう。ちなみに帰りは無事にシャワーカードを入手できサンライズシャワーを体験することができました。ちょうど良い湯加減でした。行きも浴びたかったな~…。

 

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(サンライズのシャワーカード。帰りに使ったもの。)

 

シャワーカード争奪戦に敗れて、ホームの NewDays で翌日の朝食を買いました。サンライズには車内販売がないので乗車前に食料を調達する必要があります。飲み物の自販機は車内にありますが、大したものはないのでこれも乗車前に買って置くことをお勧めします。朝食を買うついでに GATSBY を買って今夜の風呂代わりとすることにしました。

 ソロは個室の中では一番狭いタイプですが個人的には十分な広さでした。寝るには全く問題なく、荷物も空きスペースにおくことができます。ただ、キャリーケースなど大きい荷物がある場合は苦しいかもしれません (ちなみに帰りはシングルで、なんだかんだ言ってこちらの方が快適でした)。あと、1 階席だったのですが思いっきり天井に頭をぶつけました…。1 階席の天井は 2 階席の階段部分が狭くなっているのです。でもソロでも十分快適でしたよ。この日は早速浴衣に着替え、沼津あたりで寝ました。なお着替える時はシェードをあげることを忘れずに。私はちゃんと閉めていましたよ。おやすみなさい。

 翌日は京都を過ぎたあたりで目覚めました。京都―大阪間は高速で駆け抜けていきます。阪急や新幹線と並走するところ、高槻の昇降式ホーム柵は見所ですが写真に撮るのをすっかり忘れてしまいました。何しろ寝起きだったので…。山陽線の姫路―岡山間はのんびりとした走り。田園風景がきれいでした。

 

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(姫路―岡山間のどこか。ただただのどか)

 

快速マリンライナー

 岡山には定刻通り08:48に到着しました。さっさと瀬戸大橋線のホームに行ってしまいましたが、乗り換えの快速マリンライナー高松行は09:05発だったのでお見送りをしてもよかったかも知れません。マリンライナーは5 両編成で 1 号車 (高松方先頭車) が 2 階建ての5000系で 2 階席がグリーン席、1 階席が指定席です。また、一番前はパノラマグリーン席となっています。2 号車から 5 号車は223系 (いわゆる「新快速」!) で自由席です。今回はグリーン席をとってみました。快速なので自由席と指定席は青春18きっぷで利用できますが、グリーン車指定席はこれでは利用できません (グリーン車自由席にしてくれたら利用できるのに…)。青春18きっぱーにとってマリンライナーのグリーン席はあこがれの存在なのです。また、今年は瀬戸大橋開通30周年ということで、期間限定で先頭車にヘッドマークがついています。これもリサーチ済みでしっかり撮影しました。

 

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(快速マリンライナーの先頭車 (JR四国5000系)。瀬戸大橋開通30周年記念ヘッドマークをつけております。)

 

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(マリンライナーの側面。珍しいのでとってみました。MARINE LINER の文字がかっこいいですね。実は東海道線なんかの2階建てグリーン車と共通設計だったりして…。) 

 

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(JR四国が世界で初めて作った制御振り子式気動車2000系 (アンパンマン列車)。岡山駅には珍しいものがたくさんいました。) 

 

 高松までは 54 分間の乗車。意外と速いですね。岡山―高松間が通勤通学圏というのも頷けます。このために朝夕のマリンライナー自由席は大変な混雑で、指定席かグリーン席の利用がおすすめです。早島、児島を過ぎると瀬戸大橋に入ります。今まで瀬戸大橋を渡るときはマリンライナーの自由席が多かったですが、今回はグリーン席の 2 階からの車窓ということで、格別でした。瀬戸大橋を抜けて坂出を過ぎると次は高松です。坂出―高松間もかなり飛ばす区間で、最高速度の 130 km/h も出ていたのではないでしょうか。トイレに立ったのですが、かなり揺れました (笑)。高松09:59着。続きは次の記事で。

 

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(霞む瀬戸大橋もまた美しい)

 

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(まだまだ頑張る国鉄気動車キハ185系。高松駅にも珍しいものがいました。)

 

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